居酒屋やバーなどでお酒を注文すると一緒に提供されることがあるチェイサー。一般的に冷水がチェイサーとして提供されることが多いですが、実は冷水でなくても良いことをご存じでしょうか。なんとなく悪酔いを避けるためのものと知っていても、その役割や効果を正しく知っている方は少ないかもしれません。
本記事では、チェイサーの役割や、効果的な飲み方をご紹介します。チェイサーについて正しい知識を身につければ、お酒をより楽しく安全に楽しめるようになります。
目次
チェイサー=水ではない?
まずはチェイサーの由来や水との違いについて解説します。実は「チェイサー=水」ではないのです。
チェイサーとはお酒の後に「追いかけて」飲むもの
チェイサーは英語で書くと「chaser」。この言葉には「追いかけるもの」という意味があります。メインで飲んでいるお酒に対し、それを追いかけるように続けて飲むことからこの名がつきました。
後述するように特にアルコール度数や香りが高い、いわゆる「強い」お酒とともに飲まれることが多いのが特徴です。
チェイサー=水とは限らない
レストランやバー、居酒屋などで水を注文する意味で「チェイサーください」と店員に声をかける方もいるかもしれませんが、実はチェイサーは必ずしも水とは限りません。
たとえばメキシコでは唐辛子を入れたトマトジュースである「サングリータ」をテキーラとともに飲むのが一般的です。
ほかにも牛乳やお茶などがチェイサーとして扱われることもあります。
外国や国際色豊かな店でチェイサーを注文するとびっくりするかもしれません。
お酒がチェイサーの国もある
さらに、チェイサーはノンアルコールの飲み物とも限りません。
たとえば先述のメキシコではテキーラのチェイサーとしてビールが飲まれることがあります。また、イギリスではメインのお酒よりもアルコール度数が低いお酒がチェイサーとして使われることもあるようです。
ただし、アルコールをチェイサーとして飲むと過度な飲酒につながります。酔いすぎ防止のためにチェイサーとして飲む飲み物は、水などのアルコールが入っていない物が良いでしょう。
なぜお酒にはチェイサー?その役割とは
チェイサーというと酔いすぎや二日酔い予防のために注文する方が多いですが、チェイサーにはほかの役割もあります。チェイサーの役割を正しく理解すればよりお酒をおいしく楽しめます。
脱水症状を防ぐ水分補給として
ノンアルコールの飲み物をチェイサーとして飲む場合、脱水症状予防の水分補給として役立ちます。
アルコールを摂取しすぎると、体内に入ってくる水分量と体外へ出ていく水分量のバランスが崩れ、脱水症状を起こすことがあります。
その理由として、まず、アルコール自体に利尿作用があることが挙げられます。
たとえばビールの場合、1リットルのビールを飲むと1.1リットルの水分を失うといわれています。これはビールで摂取した水分以上に体内の水分が失われることを意味しています。
さらに、人体がアルコールを分解する際に水が必要なので、脱水症状になりやすいと言われています。
そこで飲酒時はチェイサーとしてノンアルコールの飲み物を摂取することで、体内に水分を補給することが大切と言えます。
舌や鼻の感覚をリセット
チェイサーの2つ目の効果は、舌や鼻の感覚をリセットできるという点です。
ワインや日本酒、ウイスキーなどの香り高いお酒を飲んでいると、最初は風味や香りがしっかりと感じられるのに、飲み続けるとだんだんわからなくなってくるという経験はないでしょうか。これは体の感覚がその飲み物に慣れてしまうためです。
せっかくのおいしいお酒を最後まで楽しみたいなら、合間にチェイサーを挟むと口の中が洗い流され、感覚をリセットできます。
つまり、チェイサーは悪酔いや脱水症状を防ぐだけのものではなく、お酒を楽しむ方法としての役割もあるのです。
この目的で水を飲むなら硬水よりも軟水がおすすめです。硬水とはミネラル分を多く含む水であり、個性的な味がします。日本酒などの繊細なお酒の場合、個性が少なく邪魔をしない軟水のほうが好相性でしょう。
また、チェイサーの温度は常温がおすすめです。冷たい飲み物は味覚をかえって鈍感にしてしまうほか、胃腸の働きを悪くする可能性があります。
アルコール摂取量を抑える
最後に、チェイサーを飲むことによってお酒の飲み過ぎを防ぐ役割があります。
特にアルコール度数が高いお酒の場合、胃に入る量に対してアルコールの割合が高いため、満腹になる前にどんどんお酒を飲んでしまい、アルコールの過剰摂取になりがちです。
水などをチェイサーとして飲むことにより度数の強いお酒の代わりに胃を満たし、胃を早く満腹の状態にできます。
先述の通りチェイサーを飲んでいるから、アルコールをいくら飲んでも良いという訳ではありません。
チェイサーは補助的な役割なので、飲み過ぎには注意をしながら、適正範囲でお酒を楽しむことが大切です。
おすすめのチェイサーの飲み方
さまざまな役割のあるチェイサーですが、その効果を最大限発揮するためにはおすすめの飲み方があります。ぜひ実践してみてください。
お酒と同量以上飲む
脱水症状や悪酔いにならないために、水をチェイサーとして飲むなら、お酒と同量以上の量を飲むようにしましょう。
日本酒の場合は同量の水を飲むと良いと言われ、ワインの場合は飲んだワインと同量または2倍の水が理想的とも言われます。
かなり多いと感じるかもしれませんが、脱水症状や悪酔い予防には、適正飲酒をしながら、しっかりとチェイサーで水分補給をするようにしましょう。
お酒と交互に飲む
チェイサーを飲むなら一気に飲むのではなく、お酒と交互に飲みましょう。
料理がおいしいとついついお酒も進みがちになり、飲み過ぎにつながります。また、先述のように1つのお酒をずっと飲み続けると味や香りが十分に感じられなくなるかもしれません。
お酒とチェイサーを交互に飲めば飲み過ぎを防止できるほか、口の中をリセットした状態で次の料理やお酒を楽しめますよ。
食事やおつまみも一緒に
飲酒時の脱水症状の予防にはチェイサーでの水分補給は大切ですが、その他にも、食事やおつまみを取らずにお酒や水ばかり飲み続けると必要な栄養素が不足し、体に負担がかかる可能性があります。
特に、ナトリウムやカリウムなどの電解質が失われると、脱水症状につながりますので、
お酒の合間に水を飲み、併せて電解質を含むおつまみ(もろきゅう、枝豆の塩茹で、トマトサラダ等)を食べると良いでしょう。締めにお味噌汁を飲むのもおすすめです。
ウォーターサーバーがあれば、チェイサーのお水もおいしく手軽に
チェイサーはお店ではこまめに飲むようにしていても、自宅でお酒を楽しむ際は、ついつい忘れがちになっている方も多いのではないでしょうか。そこでおすすめなのがウォーターサーバーです。
冷水・温水がいつでも使えるので、水割りやお湯割りのお酒を手軽に作れることはもちろん、チェイサーの水もおいしく飲めます。
水道水の匂いや味が苦手で、チェイサーとして水を飲むことが億劫になっていた方も、ウォーターサーバーの水なら口あたりのまろやかな軟水の場合が多いので、おうち飲みでのチェイサーのハードルもグッとさがります。
また、常温のお水を飲みたい時は、冷水と温水を混ぜれば簡単につくることができます。
お酒以外にも、お酒と合わせたい料理やジュース、お茶など、便利に使えるウォーターサーバーをぜひ検討してみてください。
まとめ
この記事ではチェイサーについての意味や役割などを解説しました。
チェイサーをこまめに摂取することで、飲酒による脱水症状や悪酔いを予防することに繋がります。そのほかにも、ワインや日本酒、ウイスキーなどの香り高いお酒を楽しむ際には、舌や鼻の感覚をリセットさせる役目もあるので、お酒をおいしく楽しむためには欠かせない存在となります。
チェイサーを飲む際は、体に負担がない常温で、飲んだお酒の同量以上を飲むことも大切です。
また、体から水分が失われる時、ナトリウム(塩分)やカリウムといったミネラルも同時に失われてしまいます。そのため、チェイサーの水だけではなく、枝豆やトマトのサラダなどのおつまみも一緒に食べるようにしましょう。
また、おうち飲みではつい忘れがちなチェイサーですが、ウォーターサーバーがあれば、水分補給も意識でき、お水もおいしいので、チェイサーも取り入れやすくなります。ぜひ、この機会にウォーターサーバーを検討してみるのはいかがでしょうか。