「清涼飲料水」と聞いて、どのような飲み物を思い浮かべるでしょうか。清涼飲料水は、実はスポーツドリンクやジュース類だけではありません。
また、「清涼飲料水は体に悪い」ということを聞いたことがある方も多いかもしれません。この記事では、清涼飲料水とはどのようなものか、体に悪いというのは本当なのか解説します。
清涼飲料水の生活への取り入れ方も紹介するので、清涼飲料水との付き合い方を見直したい方はぜひ参考にしてください。
目次
■清涼飲料水とは?
清涼飲料水とは、乳酸菌飲料、乳及び乳製品を除く酒精分1容量パーセント未満の飲料のことをいいます。清涼飲料水というと、炭酸飲料で糖分が含まれた「ジュース」などが思い浮かぶかもしれませんが、それ以外にお茶や野菜ジュース、豆乳なども含まれます。
もちろんミネラルウォーターや無糖の飲み物も含まれるため、普段私たちが飲んでいるほとんどの飲み物が清涼飲料水に分類されます。
■清涼飲料水の種類
「一般社団法人 全国清涼飲料工業会」によると、清涼飲料水は、ブランド・容器・容量別に分けると、以下のようなものを含めて約6200アイテムあります。(2017年末 全清飲調べ)
• 炭酸飲料
• 果実飲料
• 野菜飲料
• コーヒー飲料
• 茶系飲料
• ミネラルウォーター
• スポーツドリンク
• 乳性飲料(乳固形分3パーセント未満のもの)
• 機能性飲料
• その他(缶スープ、缶お汁粉など)
上記を見ても分かるように、清涼飲料水には野菜ジュース、コーヒー、スポーツドリンク、そしてミネラルウォーターも含まれています。
機能性飲料とは、カテキン、アミノ酸、食物繊維、ビタミンなどを含んだ飲みもののこと。多くの場合、パッケージに有効な成分などが記載されています。
また、コーヒー飲料と一口にいっても、ミルクを入れたカフェラテ、ブラックコーヒーなどさまざまあるように、砂糖の量や容量などによっても細かく分類されています。
■「清涼飲料水は体に悪い」は本当?
「清涼飲料水は体に悪い」と耳にしたことがある方もいるのではないでしょうか。一部のジュース類には糖分が多く含まれるため、健康に良くないと言われることもあります。
例えば、一般的な目安としての数字ではありますが、100%オレンジジュース200mlなら約21g、スポーツ飲料500mlなら約24g程度の糖分が含まれています。
最近ではミネラルウォーターの中にも、オレンジやピーチなど味がついているものがありますが、さっぱりとした飲み口である一方、糖分量は500mlで約24g程度とスポーツ飲料と同じくらい含まれていると言われています。
飲みやすい爽やかな飲み物でも、意外と糖分が多く含まれているものも多いため、意識せず摂りすぎてしまっているかもしれません。普段飲んでいる清涼飲料水の糖分量を確認してみてください。
糖分の多く含まれた清涼飲料水を毎日のように飲んでいると、健康に悪影響を与える可能性があるため、飲む頻度や飲み方に注意する必要があります。
清涼飲料水の中には糖分を多く含む飲料水もありますが、前述の通り、清涼飲料水が指す飲料水の範囲は広く、ミネラルウォーターや無糖の飲み物も含まれます。
一概に「清涼飲料水=糖分のある飲み物」とは言えません。あくまで、糖分やカフェインが多く含まれる飲料水の飲み過ぎには注意しましょう。
■清涼飲料水の生活への取り入れ方
清涼飲料水と一口にいっても、原材料や容量、温度等によって、種類はさまざまです。栄養成分表示を確認し、目的によって適切な摂取量を飲み分けましょう。清涼飲料水を生活に取り入れる際は、以下のようなポイントをチェックしてください。
• 清涼飲料水を選ぶときは栄養成分表示をチェック
• カフェインの摂り過ぎには注意
• 保健機能を求めて
それぞれのポイントについて、詳しく解説します。
清涼飲料水を選ぶときは栄養成分表示をチェック
清涼飲料水はコンビニや自動販売機で販売されており、気軽に水分補給ができるため、重宝するシーンもたくさんあります。
厚生労働省によると、人間は1日に約2.5リットルの水が必要といわれています。ただし全てを飲み水で賄わなければならないのではなく、約0.3リットルは体内で作られます。そのほか約1.0リットルは食事から摂取できるため、飲み物から摂取するべき量は約1.2リットルです。
この時、糖分を気にするのであればミネラルウォーターや無糖の飲料を選ぶのが理想的でしょう。
寝る前、起床時、スポーツ中及びその前後、入浴の前後など、こまめに分けて水分を摂るようにしましょう。
ペットボトルのお水に不便を感じたり、お茶やコーヒーを飲むお湯を沸かすのを手間に感じたりする方は、冷水とお湯を手軽に使い分けられるウォーターサーバーの導入を検討してもよいかもしれません。
糖質が多いものにしても、清涼飲料水を飲んでいけないわけではありません。
ただし、甘い清涼飲料水は飲み過ぎると体に悪影響を与える可能性があるほか、喉が渇いたときに飲むと、より喉が渇いてしまうため飲み方に注意が必要です。
また、ゼロカロリー・ノンカロリー記載されていても、実際のカロリーが0kcalであるとは限りません。
これは、健康増進法の栄養表示基準に基づく栄養成分表示では、100mlあたり5kcal未満ならば「ゼロ」「ノン」と表示できるためです。清涼飲料水を選ぶときは、栄養成分表示をチェックするよう意識しましょう。
カフェインの摂り過ぎには注意
カフェインの過剰摂取は、健康被害につながる可能性もあるため、カフェインの多く含まれる飲み物の飲み過ぎには注意してください。
カフェインの過剰摂取によって現れることのある症状には、以下のようなものがあります。
• めまい
• 不眠
• 興奮
• 震え
• 不安症状
カフェインはコーヒーやお茶などにも含まれていますが、特にエナジードリンクは疲労時や睡眠不足などのときの眠気覚ましなどに飲まれることが多い飲み物です。
エナジードリンクに頼りすぎず、リラックスして過ごせる時間を作るなど、疲れを取る方法を取り入れることも大切です。また、水分補給としてコーヒーを何杯も飲んだりするのはやめ、カフェインの入っていない飲み物で水分補給をするなど、カフェインを過剰に摂取しないように気をつけましょう。
保健機能を求めて
清涼飲料水の中には、健康に有効な成分を添加した機能性飲料があります。
機能性飲料は、食品衛生法の保健機能食品制度に基づいた保健機能食品のものとそれ以外に分類され、保健機能食品はさらに、「特定保健用食品」「機能性表示食品」「栄養機能食品」に分けられます。
「トクホ」という言葉は聞いたことがある方も多いかもしれません。特定保健用食品(通称トクホ)は、保健効能成分(関与成分)を含み、飲料を飲むことで特定の保健の目的が期待できます。
お腹の調子を整える乳酸菌飲料や、脂肪や糖の吸収を抑えダイエットをサポートするお茶などがお馴染みです。
こういった特定の保健機能のある飲料は、あくまで健康な生活をサポートするものです。その効果を存分に活用するためにも、栄養バランスの取れた食事と規則正しい生活リズムを心がけましょう。
■まとめ
ジュースだけでなく、ミネラルウォーターやスポーツドリンクなど多くの飲み物が清涼飲料水に分類されます。
糖分の多い清涼飲料水を飲みすぎると体に悪影響があるかもしれませんが、ミネラルウォーターや無糖のもの、食品衛生法の保健機能食品制度に基づいた保健機能食品も含まれるため、一概に「清涼飲料水は体に悪い」とは言えません。
清涼飲料水を選ぶ際は含まれる成分を確認し、糖分やカフェインが多い飲み物を過剰に摂取することは避けましょう。飲み方や本数などを考えて、清涼飲料水を上手に取り入れてください。